夫婦ユニット。一見すれば穏やかな雰囲気。聴き込めばわかる、音楽が本当に好きな人たち。
水溜まりの中に50円玉が落ちていた
僕はそれを拾ってポケットにしまった
僕の蝙蝠傘には所々穴が空いていて
その隙間から時に
見たくないものが見える
・・・
お金のことなのか
卑しさなのか
この歌詞とメロディが向かう先は
どちらとも言わずに
自分が変わってしまう様を
まるでコンロのお湯の水蒸気に
投影しているような
残り香を残す
たまらない
サビ終わりのこの歌詞とメロディ
あぁ
たまらない
・・・
その歯は
とても
汚かった
東一番町ブラザー軒
硝子暖簾がキラキラ波打ち
辺りいちめん
氷を噛む音
とても知れた歌。
高田渡さんが歌うのとは違う
少しきれいな氷屋が
目に浮かぶ。
お化けもどこか
爽やか。
彼等の歌声は
そんな力を持っているのかな。
たまらない。
キラキラ波打つ
硝子暖簾の向こうの
闇に
からたちの木に
花が咲いた
隣の娘が
身ごもった
生まれた子供はすぐ死んで
庭の無花果が実をつけた
・
・
・
人は自然には勝てない。
徒党を組んで
コンクリートで敷き詰め
街を作るから
人は狂っている。
不吉な花が咲いたと
最近は耳にしなくなったけれど
先日竹の花が咲いた。
すぐ脇に
生死がある山里
海辺や極寒の地には
必ずと言ってよいほど
語り継がれた
音や物語や絵がある。
ぜひとも
お金や地位や名誉は
遠くの山に叫んで
手に入れたら良いのだ。
そこいら中に
見たことのない花が
咲き乱れたときは
踊り祈り鎮めるしかない。
そういうものだったのだ。
そう思い知るだろう。
そら
瞼閉じて
そら
耳を塞げ
そら
はよ隠れろ
どうどうどうどう
そら
見てはならぬ
そら
聞いちゃならね
そら
雨戸しめろ
どうどうどうどう
・
・
・
目の覚めるような
これでもかと
人の歌。
たまらない。