飽きないシキ

今年の冬はほんと寒かったと思います。

霜柱や凍った観察池なんかを長い間思い出さなかったのは

それでも近年は暖かい冬だったからでしょうか。

寒い冬は夏を思い出させます。

 

私は夏祭りが苦手です。何をしたら良いのかわからないあの光景。

踊る浴衣の人々やゴムボールを掬う子供の後ろ姿なんかを

どこからか必ずやってくる改造車の嫌な音をBGMに、遠目から観察するような場所でした。

 

夏と冬。何方が好きかと尋ねられたなら、冬なら真夏、夏なら真冬と答えます。

今は冬なので、あの酷暑、死にそうになるあの感じが何故だか愛おしくなるのです。

 

春の訪れは、いつも花粉症の話から感じはじめ、草木が色付き始めるとワクワクしてきます。

秋の訪れは長袖をしぶしぶ着ている巷のファッションから知り、寒くなっていく覚悟をします。

私はこの少し物悲しい印象の秋に生を頂きました。

 

少年時代、四季に向き合っている実感は専ら野山のイキモノと対峙する時でした。

それは今も変わらず、私のカレンダーは「つくし→」や「ふきのとう→」「アミガサ」

といった春の山菜が採れた日になると毎年アラームがなります。

「糠床(危険)」や「植物室内」など、年々項目が増えているので

そのうち毎日アラームが鳴るのではと心配になります。

 

春夏秋冬のそれぞれの思い出は、季節全てがお互いをトリガーにしながら

あれこれと掘り起こされ続けるものなのかな。

久しぶりに本当に寒い冬だったので、そのおかげで色々と思い出す事ができたのかもしれません。

 

野山海を駆け回る春

世界全てが湿る梅雨

景色全てが熱を帯びる夏

一瞬で草木が枯色に変わる秋

なにしろコートが重い冬

 

なんやかんやと

四季を繰り返し感じていられているのは

とても幸せな事です。

また、春です。

 

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