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亡骸

人も猫も

魔が差す日があるとしたら

泣き叫んだりして

後になって

後悔したりするのでしょう。


亡くなった生き物の骸を

どんな形でも

その手にとって

体で触れないと

死んだことを飲み込めないまま

毎日を過ごすことになるのは

真っ直ぐな

生き物だけです。


災で亡くなった生き物の形

名前を呼びながら

今も探し回るのは

そう

真っ直ぐな

生き物だからです。


形見や

お墓や

思い出は

何かの

目印で

道に迷ったらまた

生き物を続けるために

印を頼りに

生きるのだと思うのです。


先日

夜中のベランダに座り込んだ

猫の姿を

夢の中で

頭の右側に感じたのが

気配なのか

夢だったのか

いくら考えても

まだわかりません。


無意識に

カーテンを開けたり

窓を開けたり

魔が差した人の姿


冷蔵庫の麦茶が

とても冷たい夜でした。