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肝臓にはシジミ。

 

霧雨が鬱陶しい朝に

野良小猫から抱きつかれたのは

今から一と月ほど前でした。


最後尾の車両のいつもの席に座るためには

のんびりとする時間などない

どこにでもある

日本の朝の

どこにでもない

出来事でした。


ある夜

お酒を買いに近くの坂道を下っていると

おや

ピヨピヨ

ヨチヨチと

あの野良が足下に現れたのでした。


仕方なく酒は諦め

子猫を連れて家に引き返しました。



翌日

連れていった動物病院で

彼女が

いろんな病気と

いろんな生き物を

持っていることを知りましたが

治し

退治し

予防するまでは

面倒をみることにしました。


思えば

酒を買いに行く私を

引き返させた彼女なのだから



シジミ

と名付けました



そして

ついさっき。


帰宅し

酒を飲みながら

元野良子猫

シジミと遊んでいたら

油断も隙もありゃしない。


私の

肝臓をはじめとする全部が

40歳になっていました。

知らぬ間に。



生き物ってのは

あっ

という間に

大きくなるものなのでしょう。