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さかなびと、ひとざかな。

 

 

夢と現実の境目がわからないまま
過ごしたその時間は
自分がいなくなったような
忘れながら生きているような
彷徨う
吟ふ
そんな言葉がふさわしいのでしょう。

逆さまで服を着たまま
いつまでも長ネギをきざんだり
曲がりたかった道を通りすぎたり
イライラできず
笑顔もできず
まるで眠らない魚が泳いでおりました。

我が家には
おはぐろ
べんぞう
ちこ
という名をつけられた
金魚が3名いて
ヒラヒラしたその様を
随分長生きだなぁと
天気のよい昼下がり
私は眺めておりました。

人間みたいな顔をして
魚みたいになった人間に
泳ぎ寄る彼等は
よっぽどに
イキモノらしく
いきいきと
裸で泳いでおりました。

夕暮れ。


水と空気で満たされた
お互いの
人魚と魚人が向かい合った不思議さを
タグのついた首もとの息苦しさと共に
しみじみと

感じることが

できたのでありました。
めでたし愛でたし。

 

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