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トンネル

仕事に行くたび帰るたび

十近くトンネルをくぐる

それは今までにない風景と人と音を連れていて

はじめて目の当たりにしたとき

『島国みたい』と

口ずさんでしまったほどだ

 

驚く程の人がいて

商店街は賑やか

車に乗れば数十分で東京と相模の湾を見渡せる

 

朝ベンチに座ってジージーとひげを剃る男とは

三度あった

満員昼下がりのマクドナルドは

靴を脱いで足を伸ばすご老人たちで埋まっていた

 

その昔

その山を登るか

海側から回るか

そうでもしなければたどり着けなかった町を

今トンネルが繋いでいる

 

あの暗闇を過ぎるごとに少しずつ変わってゆく空気の肌触りが

これを旅だと言っている