たま

絵のよう。あべこべな世界から形にして歌う人々。


ねむれないさめ

 

 

眠れないさめ

泳いでばっかりで

眠っちゃだめだよ

沈んでいっちゃうよ

・・・

 

ただ回遊している魚の歌じゃない。

 

飛行機

 

という言葉でこの

おチャラけた歌声が

悲しく

哀しく

聞こえてくる。

たまらない

 

・・・

腹ペコな気持ちで

いつでもお腹はいっぱい


夜のおんがく

 

僕が眠るとき

こんな顔してたのか

こんな綺麗な夜のなか

草も虫も

歌ってるよ

 

 
自分の寝顔がいつかは見られるだろうか

自分の寝顔を見た人に会いたいけれど

もうさようならをしているのかな。

 

死んでしまったときにだけ

それを見られるとするならば

死んでから最初に会える人も

屍の自分だったりもして。

 

何れにせよ

人は死んで

いなくなることが

悲しいのではなくて

 

忘れられること

これに

耐えられないのでしょうか。

 

 

さよなら僕はもういなくなるよ

さよなら僕はもういなくなるよ

さよなら僕はもう

いないよ


とんかち

 

 

とんかち

とんかちとんとん

だれたたく

とんかち

どこかのだれかが

たたいてる

 

 

十代まで

熱が出ると決まって見てしまう夢があった。

そんな日の夜の気配が思い出せる歌。

妙な不安感や頭痛のリズム

元気に話しかけてくる家族の声の気味悪さ。

遠くの一円玉が落ちた音まで

聞こえるような気がする

あの異様さを

わかってもらえた気がした。

 

 

とんかちなっている

ぼくにはわかってる

 


きみしかいない

 

 

最終避難場所の友達と

キスをして

トカゲの住む公園を

後にした

君の頭はだれかのいたずらでもう

壊れちゃってるから

図書館のガラスを割って

入る

 

 

 

歌を聴きながら

小学生の頃に借りて読んだ江戸川乱歩の

ハードカバーの小説を思い出す。

物語を読むようにしていると心地いい。

ところで

きみしかいないと言われたら

良い意味にとるのかな

悪い意味にとるのかな

 

 

だれもいないから

きみしかいない

だれもいないから

きみがこの世でいちばん

 

 

 

 

 


こわれた

 

 

いちばん最初にお父さんが

壊れた

盆栽をいじりながら枝をグニャグニャに

曲げ

ポキポキ折り

そして

にっこり笑い

だけどイライラして

 

 

家族や学校や仕事場で

必ずこの雰囲気を携えた人を

見たことがあるはず。

そんな登場人物たち。

でもその中に

いやその外に

しあわせがあると思い込んで

生活しているのかな。

そんなことを考えてしまう

たまらない歌。

 

 

そしてその時こわれた僕の

お母さんが

こわれたみんなを大声で

呼びます

『さあみなさん夕食の支度が出来ました』

『今日も残さずたくさん召し上がれ』

そして楽しく

とても幸せに

食事の時間が我が家に

訪れる