震災以降
私は
美しさや
綺麗さを
感じられなくなっていた
こんな時代だからこそ必要なはずなのに
感じない
今まで無意識だった当たり前だった事が
解らなくなった
スカイツリーが完成する
東京タワーがその役割を終える
正式名称は日本電波塔
長い間東京のシンボルだった
ある日高速を降りた時
その電波塔に雨が降っている風景が広がった
久しぶりだった
12月のことだった
綺麗だと思った
色んな事が変わるんだと気がづいた
本来の言葉の意味とは違うけれど
『時雨』
という絵を
描こうと思った
水のなかで広がった紫の雲と
広がった水浅黄の手
肥大し続けた身体には
守る役目をわすれた
小さな貝殻の名残
無造作に浜辺で寝転がっているけれど
昔々からここを住処にしてきたんでしょ?
これから仲良くしよう
雨虎
君と僕は
アメヲヨブ
世界遺産が見える丘から
異国のような町が広がる
形も
色も
人も
きれいに整っている様と
昔からあったような錯覚を
見せつけてくる
大きなもの
ちいさなもの
きれいなもの
きたないもの
残したくないもの
のこしたいものも
すべては
遺産になると
尾根が言う。
あなたの門出
日を追い
老いてく
絵を
描いた
この子が
くろぐろ
くたびれるまで
いついつまでも
初心です