おはなし三巻六頁

2150×1700
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天狗風

梅雨らしい梅雨
夏らしい夏
 
雨の頻度や気温から
この季節を感じていたはずなのに
雨の量も
温度計の針が指す数字も
なんだかその枠を越えてしまって
緯度が変わってしまったような気持ちになります
 
懐かしい風が吹いていました
良い天気でした
洗濯をして
のんびりと洗濯物を見ていました
ゆらゆらと洗濯物が揺れてました
うとうと、と眠ってしまいました
 
目が覚めたときにはもう
絡まって
無くなって
壊れて
飛び散っていました
 
訪ねてきたのは
天狗でしょう

F80
F80

刻ノ色差

 

桜を見るたびに考えています

 

遠くから眺めていると

桃色の

その塊は

近づいてよく見ると

淡く

透明にも見えてくる

不思議なあの色について

 

 

はらはらと舞う

やさしい風景の傍らにある

これでもかとひしめき合う

途方もない数の

水面に浮いた

あの花びらたちについて

 

 

回転し

ねじれながら

ガリガリと空へ広がる幹や枝葉と

地中の根の大きさについて

 

 

考えているうちに花は散って

葉が青々と生い茂ります

赤茶色くなったなと思っていると

枝だけになっています

その時々で

色も表情も変える

なんとも不思議な

 

また春が来ます

 

 


F6
F6

蒼ノ食材-鯣烏賊・鯛-

 

みなさんは

蒼ノ食卓をご存知でしょうか

それはそれはすばらしい

旬の食材で

調理された料理が並んだ

理想ノ食卓でありました

 

春夏秋冬があった時代

たくさんの食材は

人間様が召し上がるため

殺され

形を変えられ

夜景の見える美しい部屋で

きれいなお皿に

まるでおいしそうに

盛りつけられておりました

 

この度の記憶

蒼ノ食材は

 

真鯛

鯣烏賊

袋布海苔

若芽

茎若芽

和布蕪

魚祭

 

となります

 

 

召し上がれ

 

 

 

 

 


1450×700
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ねこのねごと

 

わーおわーおうーおうーお

 

ういるさいなぁ

私は今

海藻の図鑑に夢中なの

 

 

にゃあぴゃあにゃあぴゃあ

 

うるさいなぁ

私は今

烏賊の塩辛づくりに夢中なの

 

てぃゆるんてぃゆぅぅきゅるんてぃゆぅぅ

 

うるさいなぁ

今は

鯛の鱗剥がしに夢中なの

 

わーおうーお

にゃあぴゃあ

てぃゆるんてぃゆぅぅ

 

まったくもう

うるさいなぁ

 

もうこんな時間だぞ

月夜茸の時間だぞ

 

うるさいなぁ

早く寝なさい

・・

 

さっきサンマ食べたでしょ

・・・

うるさいなぁ

・・・

 

わーお

ぴゃあ

きゅるん

 

明日は満月なのに