おはなし二巻 弐頁

S100
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キラワレモノノ図

 

キラワレモノが

雨上がりの夜に 集まった

ほらよくみてごらん

キラワレモノタチを

教えてごらん

キライなわけを

 

何となくなんて

見ないで

それとなくなんて

話さないで

ヤツラは 許してくれないよ

 

美しい夜に

キラワレモノタチが

話し合って 決めたらしい

 

キミタチヲ

キラウコト


M30
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回想ライン

 

帰る

来る

行く

去る

 

つまりは

死ぬ

生きる

 

全ては

めぐり

回る


F30
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外待雨 ーホマチアメー

 

特定の人に降る雨

局地的な雨のことを

そう呼ぶ

 

雨男が本当にいるならば

それは僕だった

全ての行事という行事を

暗く分厚い雲の下で繰り広げ

なにもかもを湿らせてきた

仲間も家族も

僕を雨男と呼んでいた

 

人が何かを待つ時

祈ることがあるだろう

待たれる側も

待っていてくれと

願うことがあるだろう

 

来ないでと祈り

降らないでと

願うこともある

裏切られた時

期待外れな場合

祈りと願いをまぜこぜにして

怒りや諦めに換える

 

そうして出来上がった

雨男

 

僕に降る雨は

外待雨

 

雨を

待っている


M30
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子実体

 

小学生の頃

昼寝している隙に家猫が窓の隙間をくぐり抜けた

目が覚めた夕方

何者かに蹴り殺された彼の死体が

隣の家の軒下から見つかった

学校からの帰り道は

決まって裏の森でキノコを採って帰る子供だったが

その森に母と弟は

泣きながらその屍を埋めに行った

父は私を猫殺しと罵り

それから私は父も猫も嫌いになった

 

25年たったある日

二匹の猫を飼おうと思った

森で見つけたキノコのせいなのだろうか

ただ木漏れ日を探しに森を訪れただけだった

 

私の脇に猫が二匹居る

 

私は

追いかけているのだろうか

追いかけられているのだろうか

暑くて寝苦しい