おはなし二巻 六頁

M6
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ヤブヲモ

枯ラス

ソノ

チカラ

 

カラミツケ


F10
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イキモノヂルシ

 

続々と 少年少女が集まって来る

縦笛が飛び出した ランドセル

ジャングルジムの脇が 彼らの 待ち合わせ場所なのか

 

若葉が芽吹く

 

春先の学校は 早くに終わった気がする

新しい友達ができると

それまで以上に 放課後が 楽しくなったものだ

 

枝がのびる

 

大きくなれ

大きくなってまた

アツマレ

大きくなっても

ノボレ

何があっても

大きくなあれ

 

咲いて

枯れて

散って

待ち

 

また咲いた

 

 僕タチ

イキモノ


M10
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源氏物語絵巻 第三十八帖 鈴虫一 詞 第一紙・第二紙

 

十五夜の夕暮れのころ

女三の宮は仏前で念誦し

鈴虫を放たせた庭にのぞむ端近で

若い尼君たちが花や木を供えて閼伽坏の音をたてたりしている

 

やがて源氏が訪れ

宮とともに経を誦し

親しく語らいながら鈴虫の音に聴き入る…


M20
M20

シアワセノホシ

 

この夜景を忘れない

 

ここから帰る途中

何度消えた信号機を潜ったか

テールランプの帯をかい潜り

蛇行する山道を登り降り

映りの悪いワンセグが繰り返す北の大地の名

怖いのか

楽しいのか

気持ちの居所が解らなかった

深夜、見慣れた玄関の扉を開けた向こうには

いつものまま

ねじれて眠る猫がいた

 

幸せは

なるものでなく

感じるものだと

あの夜景を

描こうと思った