おはなし一巻  弐頁

S60
S60

 

一人
目の不自由な子供が歩いてた

彼を見た日
街の理不尽な造りを知った
人も
建物も
音声も
親切な刃物に見えた

当然のように過ごしていた
知ってはいたが解っていなかった

思う自分に
僕が笑う

ヨクキヅイタネ
キミハ
ヒトノイタミガ
ワカルノダネ
エライエライ

差別と親切が
歳を重ねるほど
自分の胸をえぐった


7000×2500
7000×2500

するめ

 

校舎の吹き抜けから
一階に広げた300枚のパネルを眺める
何が出来上がるかはお楽しみ
四人の合作は六メートルを超えた

自由に組み替えられ
作品の1ピースとなったそれぞれの小作品
風景から人物まで
粉々になって色に変わる

噛めば噛むほど
うま味が広がるもの
見れば見るほど
想像が広がるもの

するめ


2700×1800
2700×1800

にらめっこ

 

途方もない

たかが画面だと、ナメてかかれば必ず訪れる時間

途方もない

 

その場を離れたり

ひっくり返したり

開き直ってみたり

 

長い長い

にらみあい

 

 

にらめっこしましょう

ワラウヤツは

負けよ


F50
F50

ムチュウ

 

真っ暗な室内でテレビに釘付けになる
画面の向こうで起きている事態について様々な角度から考える

悲しい事件もほんの数分で笑いに変わる
可愛らしい動物が映り
ミサイルについて話し出す
どこかの偉い人間が世の中について熱弁し
青森は雨らしい

22歳の男はどんな結論を出せたのだろうか
夢中になって観ているブラウン管の表面にきれいな花の絵が映る

灰が床に落ちたその時
手には美しいニコチンの花が咲いていた