一人
目の不自由な子供が歩いてた
彼を見た日
街の理不尽な造りを知った
人も
建物も
音声も
親切な刃物に見えた
当然のように過ごしていた
知ってはいたが解っていなかった
思う自分に
僕が笑う
ヨクキヅイタネ
キミハ
ヒトノイタミガ
ワカルノダネ
エライエライ
差別と親切が
歳を重ねるほど
自分の胸をえぐった
校舎の吹き抜けから
一階に広げた300枚のパネルを眺める
何が出来上がるかはお楽しみ
四人の合作は六メートルを超えた
自由に組み替えられ
作品の1ピースとなったそれぞれの小作品
風景から人物まで
粉々になって色に変わる
噛めば噛むほど
うま味が広がるもの
見れば見るほど
想像が広がるもの
するめ
途方もない
たかが画面だと、ナメてかかれば必ず訪れる時間
途方もない
その場を離れたり
ひっくり返したり
開き直ってみたり
長い長い
にらみあい
にらめっこしましょう
ワラウヤツは
負けよ
…
真っ暗な室内でテレビに釘付けになる
画面の向こうで起きている事態について様々な角度から考える
悲しい事件もほんの数分で笑いに変わる
可愛らしい動物が映り
ミサイルについて話し出す
どこかの偉い人間が世の中について熱弁し
青森は雨らしい
22歳の男はどんな結論を出せたのだろうか
夢中になって観ているブラウン管の表面にきれいな花の絵が映る
灰が床に落ちたその時
手には美しいニコチンの花が咲いていた