日本画とは何を指すのかと聞かれることがあります。
日本人が描けばみんな日本画じゃないの?なんて言われたりもします。
分かりやすく伝えようとあれこれ考えると
どこまでも難しくもなります。
私が考える『日本画』をごく簡単に説明させてもらうと
西洋から伝えられた油彩画と区別するために生まれた呼び名みたいなものと考えています。
油彩画はキャンバスに油絵具。紙に水彩絵の具で水彩画。
麻紙や絹、木などに膠で墨、岩絵具、胡粉、染料などの絵具を定着させて描いた作品を
日本画としています。
今はそれぞれの作家によって捉え方が違うので、これはあくまでも私の考えとします。
日本画の画材で描かれた作品は、写真や印刷などの媒体と現物(実物)の違いがはっきりしています。
紙や木の質感、岩絵具の粒子、箔の光沢。
そして何より絵具の発色が違います。
どれも天然素材を基本とした画材なので、とても豊かな肌合いをしています。
絵画作品全般に言えることですが、注意することは3つ。
色のあるものは基本的に紫外線によって退色(色が褪せる)するので
一日中日のあたる場所には飾らない事をお勧めします。
急激な湿乾燥や温度変化によって、支持体の伸縮が起きます。
それが原因で表面に剥離やひび割れが起きることがあります。
また、湿度により繁殖するカビは
特に紙の劣化を早めます。
あまり神経質になる必要はありませんが、保管する場合は注意が必要です。
日本画作品はその素材感を楽しむため、表面にガラス板などをせず飾る場合が多くあります。
何かが触れたりした程度なら問題ないですが
引っ掻きや刺し傷などは修復作業が必要になります。
飾る場所を考えてから表具する事をお勧めします。
私の作品は麻紙を支持体に箔を押し
箔自体を変色(酸化・硫化等)させて描いています。
作品によって表具(額縁や裏打ち)がされていないものもありますので
一度storeにて作品詳細をご覧になり、不明な点はメールにてなんでもご質問ください。
箔(金属を薄く伸ばしたもの)を多用している作品は
経年(10年以上)とともに少しづつ風合いが変わってゆきます。